ここが違うよ。十六島海苔
十六島海苔(うっぷるいのり)
について
出雲の国と言えば風土記の時代より、海苔の特産地として全国にその名を知られておりました。特に現在の出雲市の北端、日本海に突き出す十六島鼻と呼ばれる岬周辺の海苔は、古来より「十六島海苔(うっぷるいのり)」の名で知られ、高級海苔の代名詞としてその地位を守ってまいりました。
その収穫時期は12月から1月までという極めて短い期間に限られ、冬の荒れ狂う日本海の足場の悪い岩場で「シマゴ」と呼ばれる人達によって一枚一枚手で摘み取られています。
島根県の方では別名「かもじのり」とも言われています。「かもじのり」のかもじとは、漢字にすると髢(髪文字)で、「婦人が髪を結うとき添える毛。そえがみ。そえげ。いれがみ。」という意味です(大辞泉より)。つややかな黒さが女性の黒髪のようだったため、そのように呼ばれるようになりました。磯の香りがとても強く、コシのある食感が特徴です。
十六島海苔は塩を残した半生帯状の「かもじのり」です。板状の天然岩海苔は島根県出雲市河下町(旧平田市河下町)の天然岩海苔の板海苔を弊社では扱っておりますので、そちらをお買い求め下さい。
悠久の歴史が育んだ伝統の味を、どうぞご賞味ください
大社お礼に江戸期の海苔。島根県立博物館発表、御師が布教で配る
出雲大社のお札から見つかった江戸時代の「十六島海苔」(松江市の県立博物館で)
島根県立博物館は平成15年12月10日、県教委古代文化センターが福岡県内の古書店から購入した出雲大社のお札に、平田町の特産品「十六島海苔(うっぷるいのり)」が残っていたと発表した。江戸時代末に、全国各地へ出雲大社の教えを広めていた「御師(おし)」がお札と一緒に配っていたもので、「食べ物の海苔が現在まで残っているのは珍しい」と話している。
今回古代文化センターが入手した資料は、この地域を壇場とした御師が配ったものと考えられる。「十六島海苔」は「正月の雑煮に入れて食べれば、その年の邪気を払い、難病を逃れる事が出来る」という趣旨の言葉が書かれた包みの中に、お札と一緒に残っていた。御師が活発に布教していた約150年前の物とみられる。
御師は冬から春にかけ、信徒の家などを訪れる際、縁起物として十六島海苔を持参していた事が、幕末の文書にも記されており、岡学芸員は「文献でしか知る事が出来なかった海苔の存在が、現物が出てきてはっきりした。御師の活動を知る上で貴重な資料になる」と話している。